お店やさん♪起業ストーリー

48歳。
仕事に行き詰って、思うように出来ない役に立たない自分を追い詰めた。
どんどん自分に自信が無くなった。
でも、元々は超前向きで超ポジティブな性格だった。
自分にはもっと得意で好きな事があったはずなのに…

そー言えば、料理が好きだった。
美味しいって言われるとうれしくて、頑張っちゃう。
料理の知識なら知らず知らずのうちに覚えて、何故だろ?色々知ってる。

はたと気が付いた。
得意なことがある。好きな事がある。寝る間を惜しんで夢中になれる事があるって、実はみんなにあるわけじゃない。
これは神様からのプレゼント。
子育てもそろそろ卒業。次の役目は、このプレゼントを世の中に役立てる番だと思った。

周りは年配者が多い団地。年老いてきた親が、ご飯支度がめんどくさいと言っていた。じゃあ、料理がまだめんどくさくない私がかわりに作って、
そんな人達の役に立ちたいと思った。

人生哲学。なぜこの世に生まれてきたのか。
私の場合は、誰かの役に立つ為。
誰かに自分がいる事を喜んでもらう事。
それが私の生きる意味。

まずは子供の母として役目を果たした。次の世代を社会に送り出した。
次はもっと多くの人の為に、自分の得意な事を使おう。喜んでもらおう。

人生は短い。やるなら今立ち上がらないと、50歳が始めるギリギリかもしれない。仕事に行き詰ったのは、逆にチャンスかもしれないと思った。
会社を辞めた。

1年間の準備期間は、せっせと足りないものをDIYしていたら、あっという間に過ぎていった。
料理の修行にも行くはずだったのにな…時間切れ。
営業しながら、それを修行にしよう。
石橋があることにも気が付かない楽天家な私。

目標通り、50歳でお店を始めた。
一人で何役もこなす毎日は、重労働。
でも、美味しかった。また来るね。と言われるとやる気がでる。
次は何を作ろうかな…
常連さんはまるで遊びにきてくれた友達のよう。
合間のおしゃべりも楽しい。
まだこの仕事に飽きない。始めて良かったなと思う。

この言葉が好き
サッカー選手 中田英寿 夢しか叶わない
相田みつを ともかく具体的に動いてみるんだね
      具体的に動けば具体的な答えがでるから
 
あとがき… 
もっと年老いて、何も出来なくなる日が来たら。
誰の役にも立たない?そんな事はないと思う。

抗わず恐れず楽しく年を取り、じたばたせずに
自然に枯れて死んでいく様を、次に老いていく子供達に見せる。
母は素敵な人だったと言ってもらえるような
後ろ姿、死に方を見せたい。
これが、その次の私の役目だと思っている。